お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

包丁を両手に持った犯人による十数秒の犯行によって、19人もの人が襲われた!こんな犯行許せない!でもどうやって防げばいいの?

5月28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸(のぼりと)新町の路上で、スクールバスを待っていた児童の列を男が襲った。
両手に刃物を持った岩崎容疑者によって、児童17人と大人2人の合計19人が刺されるという悲惨極まりない事件が起こったのだ。

児童1人と別の児童の保護者である外務省の男性職員1人。
この2名は敢え無く(あえなく)命を落としてしまった。
しかもその後犯人は身勝手な自殺まで決行したのだ。
この怒髪天を衝く(どはつてんをつく=激しい怒りのために逆立った頭髪が、極限の怒りの形相を表白するほどの怒り)程の怒りを覚える男は、川崎市麻生区に住む51歳。
児童を襲いはじめてから、この岩崎が自殺するまでの時間は、何と十数秒しか経っていなかったという。

犯人が自殺した為詳しい犯行動機はわからないと言うものの、今回の事件は2001(平成13)年6月8日に起こった、大阪府池田市大阪教育大学附属池田小学校の「小学校無差別殺傷事件」が想起させられる。
この時の犯人宅間守(たくままもる)は、児童8人を刺し殺し教師を含む15人を負傷させている。

宅間は父からの虐待を受けて育ったという。
小・中学では、強者に迎合(げいごう)し、自分より劣ると判断した同級生は奴隷として扱ったと言われる。

池田中学を受験したかったものの宅間の成績では無理だとして、池田中学を受験させてもらえなかった。すると宅間は、
「自分をもっと頭の良い人間として産んでくれなかった親が悪い…」
として、親を恨むようになった。
その後も学校で教師を殴って退学したり、パイロットになりたくて航空自衛隊に入隊しても、家出少女に対する強姦未遂をおこし除隊している。
その後も数多くの犯罪を犯し15回逮捕されていた。

裁判の際宅間は次のような言葉を発しておる。
「世の中は公平やない。わしは世の中の不条理をあのクソガキに分からせてやったんや。わしみたいにアホで将来に何の展望もない人間に、家が安定した裕福な子供でも、わずか5分、10分で殺される不条理さを世の中に分からせたかったんや。世の中勉強だけちゃうぞ!云々…。」

暴言を吐くあまり、裁判官に退廷を命じられた宅間は、廊下に出てからもこう叫んだ。
「わしが8人を死刑にすんのに10分かかっとらんのに、わし一人の死刑に2年近くかかって随分、ご丁寧なことやのー!!」

今回の川崎市の事件では、容疑者が死亡したため、犯行動機について知る事は困難であろう。
然し乍ら岩崎容疑者の自宅から半径3キロ圏内にある小学校が、20校あるにもかかわらず、4キロ離れた『カリタス小学校』のスクールバスを待つ生徒を狙った。
これは、明らかに『カリタス小学校』の児童を狙った犯行であろう。
『カリタス小学校』は、名の知れた有名校であったという。

岩崎容疑者は非常に複雑な家庭環境で育ったために、ご近所の人の中には幼い頃の岩崎に同情する人もいる。
とすれば犯行目的は、社会的に自分自身を抹殺することだった可能性が極めて高い。
抹殺すべき自分自身の終焉(しゅうえん=死臨む・焉に終わる)。
これに冷酷(れいこく=酷いこと)なる飾りを施す為に、幼気ない(いたいけない=いじらしく痛々しい)自分、頑是ない(がんぜない=無邪気でききわけがない)自分を追い詰めた悪の根源である社会。

この社会を震撼(しんかん=震え動くこと)させたい。
そのために最も効果的に復讐出来る「時」と「場所」「手段」を考え尽くした。
そして何より自分自身への「人身御供」としての「道連れ」を執拗(しつよう=片意地)に欲したのであろう。

自分が得られなかったもの・与えられなかったもの…。
これを全て持っていると思(おぼ)しき、恵まれた子供達を「道連れ」にすることで、「嫉妬と復讐」並びに「社会に対する憤り」を、「目に物見せる」(=酷い目にあわせて、思い知らせること)ことが出来ると考え、今回の犯行に及んだのであろう。
この点からすれば今回の事件は、まさにテロ事件ということが出来よう。

これを予防する手立ては果たしてあるのか?
オリンピックなどで「デイフェンダーX」と呼ばれるロシアの会社が開発した防犯カメラがあるという。
これは緊張・興奮状態の人を見つける特殊な防犯カメラ。
「デイフェンダーX」が、緊張あるいは興奮状態の人1600人を探索した結果、9割の人間がテロに繋がる何らかの道具などを持っていたらしい。
個人情報保護の問題を始め、オリンピック会場周辺だけでなく、全国各地にこれを設置できるか…といえば、なかなか実現しないと考えられる。

今日本で何が起こっているのか?
それは人間としての「人間性」の質の低下と「霊性向上」(スピリチャリテイー)を志向する意識の欠落。

いわゆる物質を超克する精神的次元に関わろうとする意識の欠如が、様々な問題や事件を引き起こしている。
考えられないほどの事件や事故は、「人間性向上」と「霊性向上」の2本柱を構築することからしか防ぎ得ないのではなかろうか?

父親から虐待を受け、性的暴行まで受けていた少女が、冷水を浴びせかけられて亡くなった事件があった。
あの事件では、少女は「何とかなりませんか?」とまで小学校のアンケートに書いていた。
それを読んだ大人達は形式だけの対処をした。
形式的な処理を行ったのはごく普通の大人達。
というより子供の育成や教育に関わる重大な任務と責任を負った大人達だった。
父親から脅されただけで、少女を父親の手元につき返した関係者達。

今回亡くなった少女もさぞ痛かっただろう。恐ろしかったろう。
けれど両親には愛されていたのではなかろうか?

実父から虐待され性的暴行まで受けた挙句、母親から裏切られ周りの大人達に翻弄(ほんろう=手玉に取りなぶりものにする)され、挙句の果てに実父に殺された人生…。
これを生き地獄と言わずして何と言うのだろうか?

何故こんなことがまかり通るのか?
今起こっている社会問題が、自分と関係ない…と思っているからではなかろうか?
自分はあんな酷(ひど)い事はしない…と善人ぶってはいないだろうか?
自由や平等は当たり前のように、自分自身に用意されている…と、かん違えしていないだろうか?

世の中は少しも平等ではないし、そうそう自由を謳歌できるものでもない。
将又誰かから認められたい…、誰かから愛されたい…などということも、手に入りそうでも実際にはなかなか手に入らぬものじゃ。

見えざるご先祖様や仏様方・八百万(やおよろず)の神様方、キリスト教の神様とその御子イエス様、イスラム教の唯一神アッラー預言者ムハンマドユダヤ教唯一神ヤハウエとモーセなどなど…。

どんな宗教であってもいい。

あるいは宗教を超えた「サムシンググレート」の存在であっても、尚更良いことじゃ!
見えざる大いなる力を信じ尽くして、己が生きる縁(よすが)とするべく、日々生きる努力を重ねることこそが、とんでもなく哀しい事件を起こさない唯一の道のように思えるのじゃ。

因みに「カリタス小学校」の「カリタス(caritas)」とは、キリスト教で「神の愛」とか「愛徳」と言う意味を持っておるらしい。

被害者・加害者双方が救われる道…そして日本人全体、世界中の人々が…、高い霊性に目覚めゆくことを望んでおるところじゃ。