お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

どうすれば、心を正しく保つ事ができますか?

幕末に「黒住教」を立てた、黒住宗忠(くろずみむねただ)と言う神道家がおった。
この方は「人の道」の中の「親孝行」を極め尽くし、親神様としての太陽の神・天照大御神様に行き着き、大悟なさったお方じゃ。

宗忠さんは、ごくごく当たり前の日常と徹底的に向き合い、常に誠実で、無欲な生き方を貫いた。
とりわけこの方の凄い所は、何事も自分の心次第で変わると信じ、これを実践したことにある。

宗忠さんは、「日々家内心得之事」として、次の七カ条を記しておられる。

 一 神国の人に生まれ常に信心なき事 恐るべし恐るべし
 一 腹を立て物を苦にする事     恐るべし恐るべし
 一 己が慢心にて人を見下す事    恐るべし恐るべし
 一 人の悪を見て己に悪心をます事  恐るべし恐るべし
 一 無病の時家業怠りの事      恐るべし恐るべし
 一 誠の道に入りながら心に誠なき事 恐るべし恐るべし
 一 日々有難き事を取り外す事    恐るべし恐るべし

そしてこの止めの和歌として

 立ち向かふ人の心は鏡なり おのが姿を移してやみん

とある。

この七つの教えの中には、心を正しく保つ為の極意が語られておる。

まず一つ目は、人間は自分の力で生きているのではなく、目に見えぬ何かによって生かされておる。
これを肝に銘じて生きる事。

二つ目は、腹を立てることによって冷静さが無くなり、物を苦にして物事を悪く考える様になると、自分も他人様も傷付けてしまう。決して腹を立てぬようにする事。

三つ目は、自分を過信する事で、周りの人が劣っていると考えてしまう。
常に謙虚な心と向上心を持って生きよ。

四つ目は、人間の心は弱く易きに流れるもの。常に自分を内省し、律する強い心を持った人となる事。

五つ目は、自分が為すべきことを、陰日なたなく徹底的に行う事。

六つ目は、天・地・人のあらゆるものに対して、常に誠実である事。

七つ目は、常住座臥(じょうじゅうざが=座るにも寝るにも・いつでも)有り難く生きる努力をする事。

最後の和歌は、出会う人、全てを鏡だと考え、常に内省しつつも相手の立場を理解し、相手を慮(おもんぱか=よくよく考える・思い巡らせる)る心を大切にせよ!と言うお歌じゃ。

以上の黒住宗忠さんの言葉を守って生きてゆけば、「心を正しく保つ事」が、徐々に出来る様になってくるに違いない!