お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

楠木正成ってどんな人?何を残したの?(4)

囲碁を習う人は昔の人の手を学ぶ。
これをしっかり習得してはじめて、自分らしい手筋を生み出すことが出来る。

同様に、楠木正成が学んだ軍法も、元はと言えば「四武」(しぶ)あったとされるが、これが枝分かれして、三百八十有余あるという。

「四武」は、「奇兵」・「伏兵」・「陰兵」・「鳥雲」の四つである。

「奇兵」は、有るものを無いようにし、本当の姿を敵に見破られぬようにする事。
これによって、真偽相半ばのため敵が判断したり決心する事をできなくさせる。

「伏兵」は、敵が予期せぬ所に兵を配し、また不意に敵を襲う為に、隠れ伏す兵の事。

「陰兵」は敵の不意に備える軍勢のこと。
敵の中にも、味方の中にも、近隣の山村にも、居場所を定める事なく、合図によって兵を発するもの。

「鳥雲」とは、兵を分散させておき、機に臨んで分合する。
これは日々刻々と変化し、集散に常なるものがない用兵(戦いで軍隊を動かすことを言う)のこと。

戦いというのは、敵を討つことだけを指しているわけではない。

仮に一万の兵を亡くし、敵の千人を討ち取ったとしても、勝ったとは言えぬ。
日頃より、自分自身が「備え」を怠りなく、「心の中の四武」と、「外の四武」を身につけるべく精進することが何より重要である。

そうすれば自然と、「兵の徳」というものも表れてくると言うわけじゃ。

とりわけ楠木正成は、「武人における徳」を重んじた人であったと言えよう。