65年に及ぶ数学パズルが解けた話について詳しく教えて!
マサチューセッツ工科大学(MIT)と、ブリストル大学が共に率いるチームが、65年間解けなかった「数学パズルの解」を求める事に成功したという。
数学パズルの問題は、1954年にケンブリッジ大学で設定された、
「デイオファントス方程式」
x3+y3+z3=k
について、k=1からk=100迄の全ての解を求めると言うもの。
この方程式を解くには、膨大な量の計算を必要とする。
その為、解を求めること自体が、手に負えなくなっていた。
ところがその後、著しいコンピューターの進歩によって、各々の「k」の解が徐々に解けていった。
あるいは、「解」がない事が証明された。
然し乍ら、「33」と「42」の2つの解が残っていた。
「33」に関しては、スーパーコンピュータを用いて解を求める事が出来た。
残るは「42」だけとなった。
「33」の解をといた、ブリストル大学のアンドリュー・ブッカー教授は、MITの計算数理学者アンドリュー・シュッツアーランド教授の協力を得て、「チャリティー・エンジン」と呼ばれる、世界的規模の「コンピューテイング・プラットフォーム」を利用して解を求めた。
「チャリティー・エンジン」とは、世界の50万台を超えるPCの空き時間を活用して計算するシステムで、100万時間を超える「チャリティー・エンジン」の計算によって、「42」の解が求められたという。
それは次の通り。
X=-80.538.738.812.075.974
Y=80.435.758.145.817.515
Z=12.602.123.297.335.631
斯くして、「デイオファントス方程式」のK=1からK=100に対する解のすべてが求められたのだ。
「42」の解を導き出した、地球規模…と言っても過言でない、50万台を超えるPCは、俗に「惑星コンピュータ」と称されている。
今後も、この「惑星コンピュータ」が、様々な方面で、活躍するに違いない。
世界は政治的には、自国中心主義が蔓延(はびこ)っているものの、学術方面では、地球規模での協力体制なしには、成り立たなくなっていると言えよう。