カルロス・ゴーン被告の逃亡劇って何なの?
元日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告は、保釈中にも関わらず、昨年末レバノンに逃亡した。
どうやらプライベート・ジェット(PJ)を使って、関西国際空港から出国したようである。
関空のPJ専用施設では荷物の保安検査が義務化されていないらしい。
けれどPJ施設のある全国の空港も事情は、ほぼ同じような状況であるらしい。
関空の第2ターミナルには、PJ専用施設「プレミアムゲート玉響(たまゆら)」があり、保安検査・税関・検疫・出国検査の各種手続きを受けることが出来るという。
この中の保安検査は、基本的にはハイジャックやテロを防ぐ…という、旅客の安全を守ることが目的である。
そのためどのような措置をとるかについては、航空会社側の判断に任されているという。
税関手続きについてもエックス線検査などは、違法持ち出しなどが疑われる場合に重点的に行っているものらしい。
ゴーン被告は、音響機器用の黒い大きなケースに潜んでいたとされ、荷物として乗り込んだようである。
大阪出入国在留管理局関西空港支局は、ゴーン被告が出国禁止リストに入っていた為、どうやって、関空から出国したのか驚いている…というお粗末な状況である。
森雅子法相は、「密出国、不法出国に当たる犯罪だ」と語り、この一件により、被告にGPS(衛星利用測位システム)を被告人に装着させ、行動を監視することも、今後議論されるべき案件の一つだとした。
またPJに持ち込まれた荷物が、関空でエックス線検査を受けていなかった件については、「同様の事態を招くことができない措置を取っている」とし、出国時の手続きについて、出入国在留管理庁に対し、厳格化を図ることを指示した。
今回のとんでもない被告人による「海外逃亡劇」を通じて感じる事は、日本という国は、何という緩みきった国であろうか?ということである。
エックス線検査すら受けずに、箱の蓋すら開ける事なく、やすやすと出国できるとは…!
日本は恐ろしく無用心な国である。
今回の一件で、保釈制度の見直しはもとより、被告人にGPSを装着するなどの基本的な事をしっかりと行うべきであろう。
それにしても、人間が入れそうな箱があったら開けることぐらいすべきではなかろうか?
箱を開けることは、機材もいらず、さほど時間もかかることでもない。
そこに居合わせた人間が、心底より「不届き者を許さない!」という気概を持ちさえすればできた事であろう。
こんな簡単なことすら出来ない日本という国は一体何なのだろう。
安全な国を守るのは自分自身だ!という強い責任感を持った、保安・税関・出国に関連する仕事に従事する人間の養成こそ急がれるのではなかろうか?
元日に寄せて!
今日は元日!「年神様」が訪れる特別な時がお正月。
「年神様」は、新しい年に実りをもたらし、人々に命を与えて下さる神様のこと。
ご先祖様であるとも考えられてきた。
このご先祖様は、春になれば「田の神」となり、秋になり収穫が終われば、お山へ帰り「山の神」となる。
そして正月に「年神様」として戻って来られるのだ。
正月はこの「年神様」と共にお祝いをするから目出度い…という訳である。
今日は元日だが、これは元旦と少しだけ違っている。
元旦は正月一日の朝を指し、元日は正月の最初の日、一月一日をいう。
この元日の朝には、お屠蘇で新年をお祝いする。
これは平安時代から続く習わしで、元は中国から日本に伝わったという。
屠蘇には「鬼気(きき)を払い、人魂(ひとだま)を蘇生させる」という意味があり、一年分の邪気を祓うことと、長寿への願いが込められている。
屠蘇は肉桂(にっけい=ニッキ)や山椒、セリ科の多年草の防風(ぼうふう)など芳香性の強い様々な薬草を合わせた「屠蘇散」を、清酒に浸して作る。
また「雑煮」というのは、元日の朝に汲み上げた若水と新年の神聖な火で調理した、「年神様」用の食材を煮たものを指す。
「雑煮」を頂くことは、「神人共食(しんじんきょうしょく)」と言って、神様と共にお食事する大切な儀式…という意味あいがある。
関西は白味噌仕立て、関東・九州・中国地方はすまし仕立て…といった具合に、各地方特有のお雑煮が作られている。
また年の初めに「氏神様」にお詣りすることを「初詣」と言うが、昔は大晦日の日没が、年の区切りとされていたため、「初詣」といえば大概は、大晦日の夜に詣でることを指していた。
また「初詣」は、「松の内」に済ませるしきたりとなっている。
「お正月」だけでも、古より続く習わしを楽しむゆとりが欲しいと思う。
大晦(おおつごもり)に思うこと!
本日で令和元年が終了する。
思い起こせば、平成から令和への御代替わりがあり、今上天皇陛下の御即位に関する様々な儀式が、国内外で賑々(にぎにぎ)しく行われた。
この寿ぎの儀式が滞りなく行われた反面、台風による被害や様々な災害に見舞われた年でもあった。
また世界に目を向けると、多くの事件・紛争が起こり、地球温暖化による自然災害が頻発した。
日本にとっては、近隣の国々が悩ましい諸問題を提示してきた1年でもあった。
北朝鮮に対しては、トランプ大統領頼りで、何の手立てもなく、拉致被害者の帰還などままならなかった。
また中国の真意はいつまでたっても測りかね、恨(はん=恨み)の思想にどっぷり浸かる韓国には、日本は打つ手が無いようである。
またロシアも北方領土を手放すはずもなく…。こんな状況が、日本をどんよりとした空虚な空気で取り巻いている。
近隣諸国との関係の不安定さと共に、中東海域の不安定さ、米国の犬のような日本の「立ち居振る舞い」などなど…。
この日本の状況を「突破」するには、どうしたら良いのだろう?と考え込んでしまう。
更に今年は、AIが著しい発展を見せた。
来年2020年には、5G(第5世代通信網)が、世界中を駆け巡るであろう。
米国のGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)や、中国のアリババ・テンセント・ファーウエイなど大手IT企業が、世界の情報を支配してしまう可能性が浮上している。
ビッグ・データと呼ばれる巨人のようなデータの集積が、とてつもない富を生み出すと共に、各国の政治的思惑(おもわく)によって、個人のプライバシーが、意図も簡単に、踏み躙(にじ)られることもあるのだ。
実に恐ろしい時代に突入したものである。
明日は令和2年元日。オリンピック・イヤーの新しい年がやって来る。
せめて新しい年を迎えるにあたり、自己内省を自らに課し、世界の中の日本の役割を意識するのが良かろう。
今年は元旦から365日、毎日ブログを更新し続けた一年であったが、来年は、週に2日程度の更新をしたいと考えている。
また時には、詩や小説なども著してみようと考えている。
除夜の鐘を聴きつつ、煩悩を払拭すべく、心を整える夕べを迎えたいと思う。
1955年から1988年までの外務省外交文書公開について教えて!
外交文書公開によって、一際(ひときわ)目をひくのが、1988年の竹下登首相の訪中を巡っての経緯(いきさつ)である。
外務省は首相の訪中をより良い形で実現する為に考えた策が、「靖国神社」(やすくにじんじゃ)不参拝であったらしい。
外務省が首相に不参拝を求めた事を示す資料もあったようだ。
この頃、「チャイナスクール」と呼ばれる外務省の官僚による、中国当局に阿(おもね)るような忖度(そんたく)が、日常的に行われていた事が伺われる。
抑(そもそ)もチャイナ・スクールとは一体何のことなのか?と言えば、これは外務省にある、研修語ごとの語学学閥(スクール)の一つだということ。
中国語の学閥は、チャイナ・スクール、米英語は、アメリカ・スクール、ドイツ語はジャーマン・スクール、ロシア語はロシア・スクールという具合である。
2002年の5月19日から21日まで産経新聞に連載された「解剖チャイナ・スクール」によって、「チャイナ・スクール」という言葉が独り歩きを始めたようだ。
典型的「チャイナ・スクール」出身者は、文化大革命時代に、中華人民共和国で中国語の研修を受けた外交官だという。
「日中友好」を最優先させる日本のチャイナ・スクール出身の外交官を、「日中国交正常化を成し遂げた交渉の苦労を語り継いできた者」として、チャイナ・スクール外交官批判を展開している。
チャイナ・スクール外交官は、日本の安全保障問題をはじめ、日中間の歴史認識問題に関して、親中的発言をする傾向があると言われる。
彼らは、日本の国益という観点から中国との関係を築こうとするのではなく、あくまで中国側の立場に立って、発言し、行動する。
また中国が抱えるチベット・東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)地域に対する人権抑圧の問題に対しては、中国側の立場に立つ。
また何らかの問題提起をしようとする動きには、敏感に反応し、これに圧力を加えているのだ。
何れにせよチャイナ・スクール出身者による、異常なまでの中国への忖度は、放置すべきことではない。
かつて奈良時代の遣唐使の一人であった吉備真備は17年もの長きに亘り、唐で過ごした。
最近真備の手になる墓誌が中国で発見された。
734年に亡くなった役人の墓石の文末に刻まれていたのは、「日本国朝臣備書」であったという。
日本の国名が成立したのは、七世紀後半とされる。
国際社会では一般的でなかった頃の「日本国」という国名を刻む真備の心中(しんちゅう)は、如何程であったろう。
そこに真備の鬼気迫る魄力(はくりょく=意志の力・精神の力)を感じずにはいられない。
日本の外交官もこの真備の気概に奮起し、日本国の為に「身命を賭し」て、仕事に専心してもらいたいものである。
中東地域への自衛隊派遣について教えて!
令和元年12月27日に、海上自衛隊が中東地域に派遣されることが決まった。
海上自衛隊の任務は、海上からは護衛艦(ごえいかん)が、上空からは「哨戒機(しょうかいき)が、レーダーや目視も駆使し、海域での不審な動きをする船舶を察知し、何らかの(勢力による)襲撃の兆候(ちょうこう)がないかを、24時間体制で警戒する。もし不審船を目撃・発見した場合、政府内で情報の共有化をはかり、国土交通省が船舶会社に連絡する手筈(てはず)になっている。
日本の関連船舶が攻撃を受けた場合は、保護する事が可能である。
しかし公海(こうかい)における船舶というのは、国際法上は、「旗国主義(きこくしゅぎ)」が原則である為、「実行行使」により保護できる船舶は、日本国籍の船に限る。
その為船籍が外国であれば、たとえ日本企業が運行していても、日本人が乗船していても、武器を用いて日本企業や日本人を保護出来ない。
不審船に当てる放水や、不審船に接触する行為すらも、「実行行使」と見做(みな)されている。
年間4000隻近い日本関連船舶がペルシャ湾沿岸国とホルムズ海峡の間を通過するが、この凡そ8割が外国船籍である。
6月に攻撃を受けたタンカーも、パナマ船籍だった。
自民党の中谷元(げん)元防衛相は「他国船舶を警護する為に必要な武器使用を可能にする法改正を検討しておくべきだ」と語っている。
政府としては、不測の事態が想定されるペルシャ湾やホルムズ海峡が除外されている安心感があるようだ。
海上自衛隊が派遣される海域における海上警備行動の緊迫性は低いと見られているためか、政府内に左程の緊迫感はない。
ではどうして緊迫度があまり高くない海域に海上自衛隊を派遣するのか?という問題が浮上する。
それは有志連合への不参加が、米国に対する日本不信を招き、日米同盟が揺らぎかねないためである。
海上自衛隊が派遣されることで、中東地域の安定化に、「主体的に取り組む姿勢」を、関係国(特に米国)にアピールできるのだ。
関係各国の理解を得る為に、安倍首相は12月20日イランのロウハニ大統領と会談し、海上自衛隊派遣の計画を説明したとされている。
この会談を待って、政府は27日に閣議決定したのだ。
とはいえ、派遣先の中東海域では、予期せぬ事態も起こりうる。
ホルムズ海峡周辺を除くオマーン海岸・バベルマンデブ海峡の北側にある紅海(こうかい)では、タンカーが何者かに攻撃される事態が予測されている。
ガソリンがどうやって中東から運ばれているのか?という現実的危機に対して、常日頃から興味を持っている日本人は少ない。
タンカーが襲撃され、その結果として若干ガソリン代が高騰する事でしか、中東海域に興味を持てない日本人の多い事にあんぐりする。
常に危機感を持って世界情勢を直視したいものだ。
皇統における「男系男子」継承の本質的意味を教えて!(2)
昨日「皇位継承の安定への提言」を申し入れた、「日本の尊厳と国益を護る会」という、自民党国会議員の有志の会の4つの提言内容を紹介した。
第1の男系を守り抜く必要性については、昨日、XとY両染色体を用いて科学的根拠を説明した。
また第2の点についても、もしも愛子内親王殿下が天皇になられた際に憂慮される点についてお話しした。
第3の皇位継承順位を守る事は、様々な混乱を避ける意味でも重要なことである。
最後の第4の「旧宮家の男子」が、皇族復帰すべき事が、今後一番重要になってくる。 11家が存在していた旧宮家は、GHQによって廃絶させられた。何のためにGHQが旧宮家の廃絶に力をいれたのか?
それは「男系男子」による皇統の継承を途絶えさせたい為であった。
旧宮家というのは、かつては「血の伴走者」とか「血の藩屏(はんぺい=皇室をお護りする者)」などと言われる重要な存在であった。
前述の「護る会」によれば、現在、旧宮家には、「男系男子」のお血筋の方が、15歳以下には5名、20代前半にはお二方、合計7名もおられるとのこと。
この方々に、現宮家に婿養子か養子として復帰なさって頂くと有難い。
皇室典範では、皇族が養子を迎える事は禁止されている。
しかしながら、法改正あるいは、特例法を制定する事は可能である。
これらの方々にお子様が誕生なされば、生まれながらの皇族ということになる。
この方々こそが次代を担うに相応(ふさわ)しい皇族になられるに違いない。
かつて権勢を振るった藤原氏は、多くの娘を宮中に送り込むことに成功した。
しかしながら、子息を送り込む事はしなかった。
これは「男系男子」によって皇統を継承していたために、「藤原王朝」が誕生しなかったといえよう。
故に、伝統はただ単に、古めかしい伝承を無理強いしているのではない。
そこには、何代にもわたって熟考されてきた、様々な問題を「超克する智慧」を内在化させた、日本人の「淵源(えんげん=本源・物事が生起する大本)なる真理」追求の在り方が垣間見られるのである。
「男系男子」による「皇統の継承」は、日本が日本であるための骨格を担っている。
今まさに「日本国の存亡」に関わる大問題として、皇統の「男系男子継承」を死守したいものである。
世界一古い王朝を誇る日本国を護る為に…!
皇統における「男系男子」承継の本質的意味を教えて!(1)
令和元年11月19日のこと。
「日本の尊厳と国益を護る会」という、自民党国会議員からなる有志グループが、安倍晋三首相に、「皇位継承の安定への提言」というのを直接手渡したとう言う。
彼らが申し入れした提言は次の4点である。
⒈男系を守る。
⒉女系天皇を断固認めない。
⒊現在の皇位継承順位は変えない。
⒋旧宮家の男子が後続に復帰できる様、皇室典範(こうしつてんぱん)の改正を行う。或いは、特例法を制定する。
まず一番目の「男系」を守る点だが、天皇家は代々男系で繋がれてきた。
男性しか持たない「Y染色体」を、ほぼそのままの形で継承していると言う訳だ。
(Y遺伝子は存在しない。遺伝子は、染色体上に存在する)性染色体は、男性は「XY」女性は「XX」となる。
息子は父親から「Y」を譲り受けるので、父親側にある「X」は受け継がない。
よって母親由来の「X」を受け継ぐのである。
「性染色体」は対となり、相方がある染色体なので、生殖細胞ができる時に、「交差」と言う現象が起きる。
これを頭に入れておく必要がある。
途中に切れ目が入り、中身を「一部交換する」と言う訳だ。
この交差により、世代を経るに従い、本人の遺伝子がそのまま継承されることが少なくなり、「X」や「常染色体」は、徐々に薄まっていく。
然し乍ら、「Y」については交差が起きない。
父から息子へ、またその息子へといった「男系」で継承する限りにおいては、全く薄まらないのである。
極端なことだが、「神武天皇」や歴代天皇の「Y染色体」を、今上(きんじょう)陛下並びに、秋篠宮皇嗣(こうし)殿下、悠仁(ひさひと)親王殿下が受け継がれていると言う訳である。
科学的根拠など説明できるはずもない「古(いにしえ)」より、我々日本人は、直感的に、「男系男子承継」を護り続けてきたのである。
この事実に思いを致す時、これまで連綿と継続してきた習わしを、無闇に放棄すべきではないと考える。
次に2つ目だが、もし仮に愛子内親王殿下が誰かと結婚され、誕生したお子様が次の天皇になられたら、日本初の「女系天皇」となる。
過去には、女性天皇が10代8方いらっしゃった。
この方々は皆、次期天皇が決まらない場合と、次の天皇になる予定の方が、まだ幼くていらっしゃる為、あくまで中継ぎとして即位なさっている。
故に、どの方も生涯独身であったり、未亡人でいらっしゃったのだ。
よって、天皇になられてから、御子を出産されることはなかった。
よって、「女系天皇」は誕生せず、「男系男子」が死守されたのである。
ところが、女性天皇を認めた場合、女系天皇が登場する。
その場合「女系天皇」は、「女性天皇」の夫側の子供として認識される。
即ちこれによって「王朝」が、変わってしまうのである。
明日も引き続き「男系男子」の必要性について述べたいと思う。
「ハッピー・ホリデー」って何なの?(2)
今日は「クワンザ」について話したいと思う。
クワンザ(Kwanzaa)は、主に米国のアフリカ系アメリカ人の間でお祝いされる行事のこと。
12月26日から1月1日に行われ、アフリカ文化に因んだ食事や贈り物が贈られる。
マウラナ・カレンガによって提唱された「クワンザ」は、1966年に初めて実施された。
「クワンザ」の意味は、東アフリカで話されている「スワヒリ語」で、「初めての果物」を意味する「マツンダ・ヤ・クワンザ」から来ている。
この祝日の創設には、創設者カレンガの強い意志が関わっている。
彼は、暴力革命の前に、文化革命が必要で、文化革命はアイデンティティ・目的・方向性を与える…として、「クワンザ」実践の意味を語っている。
「クワンザ」には、ヌグソ・サバ・=Nguzo Sabaという、7つの信条がある。
それは、1.結束 2.自己決定 3.集団作業と共同責任 4.協調経済 5.目的 6.創造性 7.信仰の7つの信条である。
これを「クワンザ」期間中、毎日1つずつ確認する。
「クワンザ」も「ハヌカー」の同様、燭台に7本の蝋燭を灯し、7つの信条を、個々人の脳裏に焼き付けていく。
2017年12月24日の「クリスマス・イブ」に、米国のトランプ大統領は、「メリークリスマス」と言う言葉に代わって、「ハッピーホリデー」と言う言葉が使われ出したことを憂慮し、次のように語った。
「美しい言葉(メリークリスマスを指している)への非難に反対することを誇ろう!」また人によっては、「ハッピーホリデー」は、リベラルが使う言葉だ!と言う人もいる。
12月24日・25日頃といえば、北半球は皆「冬至」の季節である。
どうやら世界中がこの「冬至」の持つ神秘的エネルギーに、敏感になるようだ。
偶々(たまたま)とはいえ、この日前後に、世界中の宗教が、独自の行事を行なっている。
そこで「ハッピーホリデー」なる言葉によって、円満に各々の宗教的信条を認め合おうとする動きがある。
その一方で、一国の大統領でさえ、自らが信じる宗教以外に対して、不寛容な言動・態度をとっている。
とりわけ米国大統領の背後には、巨大なキリスト教系の団体が控えているから、一層虚しさを感じる。
ただユダヤ教の「ハヌカー」・キリスト教の「クリスマス」、イスラム教の「ラマダーン」を同時に祝うフェスティバルもあるから、世の中捨てたものではない。
因みに「ラマダーン」は、食欲という人間の欲望に打ち克つことで、イスラム教徒としての自覚を促し、貧しい人々や飢えた人々を思いやり、世界中のイスラム教徒との連帯感を共有する行事の一つらしい。
何れにせよ、世界中の人々が、自分が信仰する宗教の「宗教行事」を、自他共に祝える…「愛に満ちた世界観」を、一人一人が身につけて欲しいものである。
「ハッピーホリデー」って何なの?(1)
昨日は「クリスマス・イブ」を楽しんだ人も多かったのではなかろうか?
そして、今日はクリスマスだが、米国などでは、クリスマスを「ハッピーホリデー」と言い換える動きがある。
というのも「クリスマス」を祝うだけでなく、「ハヌカー」を祝い「クワンザ」を楽しむ人達が増えているからだ。
「ハヌカー」は、2000年以上前から連綿と続く「ユダヤ教」のお祭りで、「クワンザ」は、アフリカ系アメリカ人による、1916年から始まった新しい祭典である。
まず今日は「ハヌカー」について話したいと思う。
「ハヌカー」(Chanukkah/Hanukah/Hanukkah)とは、「ハニカ」とも言い、ユダヤ教の年中行事の一つである。
マカバイ戦争(BC168~BC141)時の「エルサレム神殿」奪回を記念した行事だといえる。
この時ギリシャ軍は、神殿の清めの儀式に用いる「メノラー」を灯す油の壺。
これを汚すことで、ユダヤ教を冒涜(ぼうとく)し、ユダヤ人を弾圧することを行った。
ユダヤ人は神殿を取り戻した際、汚(けが)されていない油壺を一つだけ見つけた。
しかもその油壺の油は、一日保(も)たないくらいの量であった。
にもかかわらず、この壺に入っていた聖油で「メノラー」を灯すと、八日間も燃え続けたと言う。
この奇跡を記念し、キスレーウ(ユダヤ暦の第9月)の25日から8日間をお祝いする「ハヌカー」が催される事となった。
「ハヌカー」は、「奉献の祭り(Feast of Dedication)」、「光の祭り(Festival of Lights)」とも呼ばれる。
「ハヌカー」とは、「捧げる」と言う意味の動詞「ハナク」に由来する。
「ハヌカー」期間中には、子供達には「ドレイドル」と呼ばれる独楽(こま)と、中味がチョコレートになっている「ハヌカ・ゲルト」と言う丸い金貨が与えられる。
「ドレイドル」には、「ネス・ガドール・ハヤ・ポー=偉大な奇跡がここに起きた」の頭文字となるヘブライ文字、「ヌン・ギメル・へー・ぺー」の文字が、反時計回りに四面に刻まれているらしい。
子供達はお菓子などを賭け、この独楽(こま)を回して遊ぶのだ。
「ハヌカー」に欠かせないのが、「ハヌキア」と言う燭台(しょくだい)。
前述した「メノラー」も燭台だが、「ハヌカー」では、蝋燭(ろうそく)を立てる部分が多い「ハヌキア」を用いる。
「ハヌキア」の中心部には、種火(たねび)用の蝋燭立てがあり、左右4本ずつ合計9本の蝋燭を立てる。
この燭台には、初日は種火と1本目の蝋燭(合計2本)に火を灯す。
毎日1本ずつ火を灯し、8日目の最終日には、全部の蝋燭に火が灯ることとなる。
明日は「クワンザ」を説明すると共に、クリスマス・ハヌカー・ラマダーンを同時に祝うフェスティバルについても話したいと思う。