「ハッピーホリデー」って何なの?(1)
昨日は「クリスマス・イブ」を楽しんだ人も多かったのではなかろうか?
そして、今日はクリスマスだが、米国などでは、クリスマスを「ハッピーホリデー」と言い換える動きがある。
というのも「クリスマス」を祝うだけでなく、「ハヌカー」を祝い「クワンザ」を楽しむ人達が増えているからだ。
「ハヌカー」は、2000年以上前から連綿と続く「ユダヤ教」のお祭りで、「クワンザ」は、アフリカ系アメリカ人による、1916年から始まった新しい祭典である。
まず今日は「ハヌカー」について話したいと思う。
「ハヌカー」(Chanukkah/Hanukah/Hanukkah)とは、「ハニカ」とも言い、ユダヤ教の年中行事の一つである。
マカバイ戦争(BC168~BC141)時の「エルサレム神殿」奪回を記念した行事だといえる。
この時ギリシャ軍は、神殿の清めの儀式に用いる「メノラー」を灯す油の壺。
これを汚すことで、ユダヤ教を冒涜(ぼうとく)し、ユダヤ人を弾圧することを行った。
ユダヤ人は神殿を取り戻した際、汚(けが)されていない油壺を一つだけ見つけた。
しかもその油壺の油は、一日保(も)たないくらいの量であった。
にもかかわらず、この壺に入っていた聖油で「メノラー」を灯すと、八日間も燃え続けたと言う。
この奇跡を記念し、キスレーウ(ユダヤ暦の第9月)の25日から8日間をお祝いする「ハヌカー」が催される事となった。
「ハヌカー」は、「奉献の祭り(Feast of Dedication)」、「光の祭り(Festival of Lights)」とも呼ばれる。
「ハヌカー」とは、「捧げる」と言う意味の動詞「ハナク」に由来する。
「ハヌカー」期間中には、子供達には「ドレイドル」と呼ばれる独楽(こま)と、中味がチョコレートになっている「ハヌカ・ゲルト」と言う丸い金貨が与えられる。
「ドレイドル」には、「ネス・ガドール・ハヤ・ポー=偉大な奇跡がここに起きた」の頭文字となるヘブライ文字、「ヌン・ギメル・へー・ぺー」の文字が、反時計回りに四面に刻まれているらしい。
子供達はお菓子などを賭け、この独楽(こま)を回して遊ぶのだ。
「ハヌカー」に欠かせないのが、「ハヌキア」と言う燭台(しょくだい)。
前述した「メノラー」も燭台だが、「ハヌカー」では、蝋燭(ろうそく)を立てる部分が多い「ハヌキア」を用いる。
「ハヌキア」の中心部には、種火(たねび)用の蝋燭立てがあり、左右4本ずつ合計9本の蝋燭を立てる。
この燭台には、初日は種火と1本目の蝋燭(合計2本)に火を灯す。
毎日1本ずつ火を灯し、8日目の最終日には、全部の蝋燭に火が灯ることとなる。
明日は「クワンザ」を説明すると共に、クリスマス・ハヌカー・ラマダーンを同時に祝うフェスティバルについても話したいと思う。