お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

ワインに含まれる「酒石酸」が軍事産業に利用されたって聞きました。これってどう言う事なの?

酒石酸(tartaric acid)は、葡萄その他の果実中にある水酸基を持つカルボン酸の一つ。
先の大戦で、潜水艇を探査する音波探知機を作る際に利用された。

酒石酸塩の結晶である「酒石」を精製すると「ロッシェル塩」が取れる。
この「ロッシェル塩」は、当時の最新鋭機器であった水中聴音機(ソナー)の素材だった。
的の潜水艇や魚雷を探知する為に、ソナーは海軍から必要とされた。

ソナー以外にも海水から真水をつくる際の脱塩剤の主原料にもなった為、南方の島で戦う陸軍も酒石酸を必要としたのじゃ。

以上の点から大量のワインが必要とされ、日本全国のワイナリーが、酒石の結晶体の採取を始めたと言われておる。
昭和14年には、6000キロリットルだったものが、軍需品及び配給酒となったために、3年で3倍強となり、昭和18年・19年の両年では、3万1000キロリットルを超えたと言う事で、数年で5倍以上になったらしい。

「酒石酸」を抜かれたワインは配給酒として民間に提供された。
ところが「酒石酸」のないワインは、酢酸菌による酸敗を起こし「酢」になってしまう。
こうして出来損ないの酸っぱいワインが出回ってしまい、「ラビットワイン」などと揶揄された。
これはその酸っぱさから、ワインを一口飲めば耳が立つ…とか、飛び跳ねる…などと言われたことから命名されたようじゃ。

凝縮した良い葡萄を使ったワインは、生産年から数年経っていれば、コルクの先や瓶の底に透明な粒が生じることがある。
これが酒石。
目に見えるほど結晶化すると言うのは、葡萄成分が濃いことの証拠であり、良いワインの目印なのだ。
ところが、
「ガラスの粒がワインに混入している!」
とクレームをつけるお客さんも随分いたらしい。

一時(いっとき)、山梨の甲州ワインの評判が悪かった時期があった。
それは配給酒のイメージが定着したことが原因らしい。

様々な時代をくぐり抜け、今、沢山の美味いワインが日本で生産されている。
「平和」の象徴とも言える美味いワイン。
これを頂けることに心から感謝したいものじゃ。