お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

楠木正成ってどんな人?何を残したの?(2)

昨日も言ったように楠木正成は幼少の頃から、大江匡房(おおえまさふさ)が著した『闘戦経』を、大江時親(おおえときちか)より学んでおる。
その際、「兵は国の大事、死生の地、存亡の道」とする『孫子』の兵法をまず学んだとされている。

然し乍ら、いくら『孫子』が優れた「兵書」であるといっても、支那大陸で培われた書である。
よって自然との合一や正直・勤勉・勇気・協調・誠実・和・自己犠牲などなど…の日本の「精神文化」を網羅し、その真髄を表白するものではない。

よって『孫子』と共に学ぶべきものとして『闘戦経』があるとする…。のが大江家の伝統的教えのようである。
この大江家第41代目大江時親(おおえときちか)が、楠木正成に精魂込めて伝授した教えが、『孫子』と『闘戦経』であり、この二種の教えを融合し、高い霊性・精神性と共に実学的兵法の真髄を会得したのが、楠木正成だったということじゃ。

今日は『闘戦経』の本質について紐解いてみたいと思う。

『闘戦経』は「万有一元」の考え方に則っておる。
宇宙存在を一つの躍動する生命体と見做す。
その根源は永久不滅で、ありとあらゆる生命はここから無限に分化していく。
その分け御霊(わけみたま)の様な「命の根源」が、限りある「身体」や「物体」に宿っているということ。
あらゆる生命は永遠の循環を繰り返す。これを「循環無端の哲理」(じゅんかんむたんのてつり)と呼ぶ。

「万有一元」の考え方や「循環無端の哲理」に見られるように、日本人は自然に対する感謝の想いと、慈愛の心が備わった民族として存在しておるのであろう。

この日本人としての存在意義を旨として、日本人を生ききること‥。
これこそが楠木正成が切望した生き方で有り、実践し続けた事であり、現在の日本人が学ぶべき「生きる道」だと痛感する!
明日は具体的に、『闘戦経』の内容について話してみることにする。