人生の約束を果たすとは?
一人一人がこの世に生を享ける。赤子から幼児・少年・青年・中年・熟年・老年を迎える年月(としつき)を辿れば、一本の映画を観るように、一人一人に豊かに拡がる人生模様が映し出される。
悲しいこと、辛いこと、楽しいこと、嬉しいこと感動すること、様々な人生が、刻々と刻まれる日常。
個々人にとっての人生が日常の内にその喜怒哀楽のすべてを背負い込み、様々な音色を紡(つむ)いでゆく。
それはあたかもオーケストラが交響曲を奏でるようなものじゃ。
この世に生を受けた途端、人は自分で自分を自由にする方法を編み出すよう仕向けられておる。
人間は一人では完全な自由を手に入れることができぬ。
じゃが他者との関係性の中で自分をより自由にすることは可能であるゾ。
何となれば、完全なる自由など存在しないからじゃ。
人や動物、自然現象と共に生きることは、人間が一人で完全な自由を獲得し得ないことを意味しておる。
人や自然現象と上手く折り合いをつけ、自分を押し殺さず協調し、共成し、共に学ぶことで本質的、本来的自由の暁雲を拝することになるのじゃ。
人が人として自由に生きることこそが、豊かな人生を謳歌することにつながっておるゾ。