生きがいって何なの?
「生きがい」は、「生きる」という営為の結果、その本人の内奥に立ちあらわれる、生きた証(あかし)というか、生きた値打ちのことじゃなあ。
自分の人生の値打ちを自分で見つけ出し、自らの手で、その(人生)のゆく先を見据えること。そのためには、三毒と呼ばれる、善い事を毒する三種の煩悩を払拭(ふっしょく=すっかり取り除くこと)する努力が必要じゃ。
三毒については、以前にも触れたことがある。
貪欲(どんよく)・瞋恚(しんい)・愚痴(ぐち)の三つの毒は、人間の内面に芽生えた「生きがい」という名の命の源を断ち切ってしまう。
自己の欲するものに飽くことなく執着し、自分の心に逆らうものを怒り恨み、理非の区別のつかない愚(おろ)かさ。以上の三種の毒を取り除く努力をすることで、初めて見えてくるものがある。
「生きがい」の根っ子には、三毒を絶ち切り、身軽になることで得る「人間の徳」が息づいておる。
「生きがい」を求める人や、「生きがい」とは何か?を、問いかける人達は皆、三毒を超克する努力をして欲しいものじゃな。
そうすれば、「生きがい」という名の果実と出会うはずじゃよ。