ノーブレス・オブリージュ(noblesse oblige)って何なの?
欧米には、身分の高い者は、それに応じて、果たさねばならぬ、
社会的責任と義務があるという、道義上の不文律があるのじゃ。
『大衆の反逆』を著した、オルティガ・イ・ガセットは、その著書の中で、
貴族(身分の高い者)とは、常に自己を超克し、おのれの義務とし、おのれに対す
る要求として強く自覚し ているものに向かって、既成の自己を超えてゆく態度をも
っている勇敢な生の同義語である。
と述べておる。
人間として、より高貴に生きようとすればするほど、努力が必要とされる。
その努力とは、自らに多くを求めるがゆえに、為すべき努力なのじゃ。
則ち、社会の模範となるべき振る舞い方や考え方を身につけ、実践することを指しておる。
よってノーブレス・オブリージュを身につけている人間は、自己が果たすべき義務を理解し、自らの行動指針として、社会貢献に身を捧げる覚悟を持っておるのじゃ。
翻って、大衆とは、己の欲求ばかり追求し、自分の権利ばかり主張する。
しかも、社会に対して義務を負っていると考えもしない人間のこと。
高貴な精神を内包する生きざまを求めつつ生きる。
これには多大な努力が必要とされる。
一方、大衆的精神は、放っておいても身につく、怠惰で努力を必要としない生き方じゃ。
当然のことながら、高貴な精神を持つ者が増えれば増えるほど、社会はよくなる。
自分の人生を名実共に豊かにするためにも、「ノーブレス・オブリージュ」を、生きる指針に据えてみてはどうじゃろうか?