やりたいことがない人はどう生きたらいいの?
やりたいことがないから…あるいは、目標が定まらないから…自分はどうしようもない。
などとマイナスに感じる必要はない。
まずは自分の心の中を整えることからはじめるとよかろう。
「心身一如」という言葉があるが、心と体は一つで異ならない。
心と体は本質的に一つであり、表裏一体の関係にあるということじゃ。
やりたいことがなくとも、毎日飯を食い、排尿排便し、風呂に入る。
日常の当り前と思えることに対しても、心を尽くす。
そしてその心に呼応するが如く、自分の身体を丁寧に扱い、丁寧に動かす。
すると、おもしろいことに、その身体の所作は、茶道の所作にも通ずる動きとなる。
簡素静寂を旨としつつ、流れるようにゆるやかに、舞うような所作が身につけば、心も体も一層安定し、円満になる。
そして時折、時間を見つけては、ゆっくりと呼吸し、眼を半眼(はんがん)にして瞑想(めいそう)してみる。
そんな豊かな時間を持つこと自体が、素晴らしいことなんじゃ。
たとえ、今すぐにやりたいことが見つからなくとも、豊かな時間を過ごす癖がつきさえすれば、自ずから、やりたいことも浮かんでこようというものじゃ。