「現実を直視すること」と「現実を回避すること」の違いって何なの?
「現実を直視する」というのは、現状の自分自身を掛け値なしに(自分に甘くすることなしに)、また妙に卑下(ひげ)してみないこと。
ありのままの自分を、眼を背けることなく、視続けることじゃ。
一瞬だけなら現実を視(み)ることは難しくない。
けれど継続的に、ありのままの自分を視ることは、かなり難しいことじゃ。
大学入試でよくある風景というのがあってな。
最近の大学入試は多種多様な入試方法がある。
中には、年末までに合否のわかる推薦入試を受ける者も多い。
その理由の一つに年内に大学合格がわかれば、安心して年を越せる…というのがあるんじゃが。
とりわけ家族が安心するらしい。
推薦試験がすべて問題があるとは言わんが、中には現実回避する行動とおぼしき輩(やから)もおるのじゃ。
若い頃というのは、本気になってからが勝負でなあ。
自分の学力が不十分だということを理解し、逃げずにその事実を受けとめる。
それをふまえて、全身全霊で勉強すると、驚くほど学力はアップする。
そもそも大学の推薦入試は、大抵は、10月・11月、遅くて12月上旬に終了する。
あと3ヶ月から5ケ月ほど、高校生活が継続するにもかかわらず、入試勉強が、年内で完全に終了してしまうんじゃ。
人間頑張れば、3週間で何かが変わり、3ヶ月で大幅に自分を変えることができる。
不足だらけの自分を直視する。
そしてそのゼロ、あるいはマイナスからスタートして、しっかり生きて学べば、何らかの光が見えてくるものじゃ。
推薦入試は、大学側が早めに、安定的学力のある人間を確保するために設けた制度じゃが。
受験する側も早めに安心したいがために受験する。
最後の最後まで全力で頑張る人間と、3月まで頑張り続けることを回避してしまう人間との違い。
これは受験以降の人生に、大きな影響をもたらすと言えるのう。
困難なことに、体当たりでぶつかってゆき、傷つきながらも、その結果を全身で受けとめてこそ、「人として生きる甲斐がある。」というものじゃ。
今ある現実を正しく視て、正しく受け入れ、それから目をそらさずに、ぶつかって生きてゆこう。
そうして心の中に清らかに輝き続ける自分自身を大切に育んでいきたいものじゃな。