お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

弘法大師・空海さんが、入定されたのが、承和二(835)年3月21だったとか・・!お大師様の良さって何なの?

お大師様は、衆生を救うために、高野山奥之院で永遠の定に入られた。
その御心は、宇宙規模であり、御心の深さとその幅・広さに至っては、人智を超えておる。

お大師様が著された『十住心論』(じゅうじゅうしんろん)には、

 地獄はいづれの処にか在る。いづれか自心の中に観ん。

という言葉がある。

地獄はどこにあるのか。
自らの心の中に観ることができるだろうか・・という意味じゃ。

悪いことをしたら地獄で閻魔様がお待ちである。
よって、生前は悪いことをしない様、心がけて、生きること。
これが仏教の基本的倫理観じゃ。
ところが、お大師様は、地獄は死後の世界の話ではなく、「生きている自分の心の中にこそ存在している。」と仰っておるのじゃ。

このようにな、今この瞬間を生きる人間が、どんな考え方をすれば、日々、命の限り生きることができるかについて、様々な本を著すことで、衆生にしめしておられるのじゃ。

お大師様の良さは、ズバリ「密教を通じて、悟りに達した者しか辿りつくことが出来ぬ、種々の言葉を、衆生に披瀝して下さった」ことであろう。
お大師様の言葉を通じて、生きる力と生きる本懐を、自らの手で紡ぎ出す術を、獲得出来る様になった。

後は、お大師様の言葉を、己が心中(しんちゅう)の奥深いところに留めおき、深く思索する努力をするのが良かろう。