お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

記憶力が劣っているせいか、英単語等が思うように覚えられません。どうしたらいいの?

「私は、物覚えが悪い!」と思い込んでおる御仁は、案外多いものじゃ!
「記憶」は、液体でもなければ、個体でもなく、まして気体であろうはずもない。
然し乍ら、コンピュータが、ハードディスクに記録する事で、記憶できるように、人間にも情報を記憶している・・あるいは、記憶した痕跡は残っておるはず。

翻って考えてみるに、人間の記憶というのは、「新たなる神経回路を獲得する事」を、意味する。
まだ正確な数は言えぬが、人間の脳内には、1000億個もの「神経回路」があるとか。
然もそれら神経回路の一つ一つが、「神経線維」と呼ばれるケーブルを仲介者として、およそ一万個の別の「神経細胞」と繋がっておるようじゃ。

人間の脳は、「神経回路」というネットワークを形成する事で、そのネットワーク上を、多くの「神経信号」が、飛び交っておる。この「神経信号」のお陰で、脳は情報処理をスムーズに行っていると言う訳。

コンピュータで重要なのは、ハードディスクとRAM(random-access memory―書き換え可能なメモリー)だが、この関係は人間の脳の「長期記憶」と「短期記憶」の関係に似ておる。
データを長期記憶させ、長期保存する場所がハードディスクとすれば、一時的保管場所となるのがRAMと言う事になる。
ハードディスクから必要な情報だけをRAMに呼び出すから、RAMは情報の「一時預かり所」と言えよう。
ハードディスクに情報を蓄えているだけでは、何ともならぬが、RAMを介して情報を利用することが出来るのじゃ。

人間の脳の長期記憶保存場所は、「大脳皮質」。
これは覚えた知識を蓄える場所のこと。
ここはコンピュータのようにメモリーを増設する事はできぬから、限られたメモリーを活用するためにも、必要な情報と不必要なものを取捨選択せねばならぬ。

そこでその仕分けをするのが、短期記憶を得意とする「海馬」と言う場所。
最近の研究では、この「海馬」の中の「歯状回」と呼ばれる部位に注目が集まっておる。

かつて、近代脳科学の礎を築いたラモン・カハール氏は、「大人の脳では、新たな神経細胞は決して生まれない」と言っておった。
脳科学の世界では、長年これが常識とされていた。

ところが20年ばかり前のこと。米国はサンデイエゴにある「ソーク研究所」のフレッド・ゲージ氏が、ある論文を発表した。

脳の左右にひとつずつある「海馬」は、記憶を作り出す場所として知られている。
この中にある「歯状回」では、大人の脳であっても、脳細胞が新たに生まれていることが見つかったというのじゃ。

「歯状回」は、「海馬」の入り口に位置する。
ここは「海馬」へやってきた電気信号を最初に受け取り、「海馬」の中へ送る役割を担っておる。
「歯状回」を介して「海馬」内に、神経細胞のルートが生まれ、其れが新しい記憶そのものとなっていく・・ということじゃ。

現在では、「歯状回」で新しく生まれる細胞の役割は、細かな違いを見分けて、これを記憶する事にある・・と言うのが、有力仮説となっておるらしい。

ここで興味深いのは、五感を総動員し適度な運動と共に、刺激的生活を謳歌することで、「歯状回」を活性化させることができるということ。

勉強する時も、運動する時も、仕事する時も、五感をフルに刺激し、何事に対しても、素直な目で興味深く生き、バランスの良い食事を心がけること・・が、記憶力アップには欠かせない・・ということじゃ。