お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

国字って何なの?

昨日「漢字の成り立ち」について述べたが、この漢字の決まりを真似て日本で作った文字のことを「国字」と呼ぶ。 ほかに「倭字」「和字」「和俗字」とも呼ばれておる。

『新撰字鏡(しんせんじきょう)』という字書の小学篇には、およそ四百の国字が収められているとか。
『新撰字鏡』を著したのは、平安初期の学僧(学問に長じた僧侶)昌住(しょうじゅう)だといわれる。

その後も各時代を通じて、国字はどんどん作られ、現在では千五百あまりの国字があるとされておる。
いずれにせよ国字の多くが、日本固有の物の名前や、人名・地名などを書き表すために作られたようじゃ。

昨日述べた通り、国字も「象形」「会意」「形声」などのルールに則って作られておる。
一番多いのは、漢字を組み合わせて、それらの意味を合わせていく…という、「会意」文字のルールに則ったものが多い。

例えば、峠(山を登りつめて、下りに差し掛かる境)・躾(しつけ=身を美しくする)・榊(さかき=神様に供える木)・鰯(いわし=ひ弱い魚)などなど。

「形声」ルールであれば、麿(まろ=麻と呂)・粂(くめ=久と米)・腺(せん=肉と泉)などが挙げられる。

また漢字でありながら、本来の意味と無関係な日本独自の意味を付加して訓をつけた字などを、国字に入れる事もある。

例えば、鮎(あゆ=もとの意味はなまず)・淋しい(さびしい=もとは水を注ぐ)。
これらの国字の多くは、訓読をするが、なかには音を持っている国字もある。

例えば、鋲(びょう=金属で出来た留め具)・鮟鱇(あんこう=魚の名前)など。

訓読み・音読み双方の読み方を持つ国字には、搾(しぼる・サク)・働(はたらく・ドウ)などがある。

国字には、日本の風土や日本に住む人々の考え方が現れておる。
また国字と呼ばれ文字は、ベトナムなど、外国でも作られ、ベトナムの場合は、独自の文字「チュノム」が作られておる。
朝鮮半島でも固有の漢字が作られたり、漢字とハングルを組み合わせた音訳文字も出来ておる。
これは上半分が漢字で、下半分はハングルとなっておる。

然し乍ら、漢字離れが進む韓国では、これらはあまり知られなくなったということじゃ。

何れにせよ日本独自の国字は、今後も作り出されるかもしれぬ。

日本の風土や日本人の感性にあった国字が創出されることは、それだけ日本語が豊かに拡がって行くことを暗示するようで、頼もしい気がするのう。