お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

遺伝子とDNAの違いって何なの?(2)

「遺伝子」「DNA」「ゲノム」の三つのワードは、21世紀に欠かせない言葉となっている。
「遺伝子」というのは、全DNAの2%に過ぎず、世界中の研究者がこの2%のDNAを目指して研究を続けてきたのだ。

ところが近年、これまで「ゴミ」だと考えられてきた98%の「ジャンクDNA」。
この中に、「個人差」を生む、「個性」に関する多くの情報が隠されていた…!
という、驚愕の事実が突きつけられたのだ。

ジャンクDNA」から、「顔を再生する技術」も開発されている。
この再生力の凄さは、実験を観た人しかわからないだろうが、相当な精度の再生力が見込まれる。
これまでのDNA鑑定といえば、過去に犯罪歴がある人のDNAデータを解析して、犯人を特定するものだった。
そのためにデータベースにないDNAを持つ犯人を特定することは出来なかった。

ところが最新技術によって、犯行現場にある、口をつけたグラスや櫛に残された髪の毛、タバコの吸い殻など…、僅かなDNAさえあれば、たちまちのうちに、高い精度の犯人のモンタージュ写真が出来上がるのだ。
現に米国では、この種の技術のお陰で、迷宮入り事件を20件以上解決しているという。

「ゲノム」は、人間が持っているDNA情報のこと。
全人類は、個々人の持つ「ゲノム」の中に、「トレジャーDNA」とも言うべきものを保有しているらしい。

「98%のDNA」(トレジャーDNAと呼ぶ)の中には、ガンやアレルギー、認知症を防ぐDNAがあったり、タバコによる「肺の病」にならないDNAまであるという。

病気以外にも、アスリートのパフォーマンス向上に関わるDNAが、「98%DNA」の領域から見つかっていると言う。
またチリ・アンデス地方の村では、「猛毒ヒ素」を解毒するDNAを持つ人々がいるという。
彼らのDNAを解析したところ、「98%DNA」部分の3箇所に、ヒ素を解毒する力を高めるDNAが見つかったという。
これは「98%DNA」に生じた変異が齎した、奇跡ではなかろうか?

ハーバード大学の教授を歴任した後、祖国であるアイスランドに帰国し、「ゲノムプロジェクト」を始動したカーリ・ステファン教授は、画期的発見をした。
彼はアイスランド国民の半数以上のDNAを集め、その中の数千組の親子の全DNAを解読した結果、普通考えられない発見と遭遇したという。

人は両親からそれぞれ半分ずつDNAを受け継ぐが、そこへ必ず70個もの、新たなる「突然変異DNA」が生じることがわかった…という驚くべき事実だった。
ステファン教授の「ゲノムプロジェクト」以前の研究では、人間に突然変異が現れるのは、何か特別な事だと考えられていた。

しかし実際は、誰もが両親には発現していない、平均70もの「突然変異」を生まれながらに持って生まれて来ている…という事実が突きつけられたのだ。
しかもそのほとんどが、「98%DNA」の部分で起きていることが突き止められたという。

また運命の設計図たる「遺伝子」の働きをオンにしたり、オフにしたり、時には、その中間状態にも出来る事が分かってきたのだ。
これは「エピジェネティクス(後成遺伝学)」と呼ばれる分野で、後天的に「遺伝子」の働きを変える仕組みのことである。
これを「DNA切り替えスイッチ」とすると、少なくともこのスイッチは、「遺伝子」一個に一つずつ付いているので、2万個以上の「DNA切り替えスイッチ」があると考えられている。

以上の如く、真の意味での「ゲノム研究」は、今始まったばかりだと言える。
「突然変異」や「DNA切り替えスイッチ」を持って生まれた我々人類には、思いもよらなかった夢を、現実のものとする力を内在化させているともいえる。

と同時に、「ゲノム」の扱い方次第で、人類の未来が変わってしまう。
これを思えば空恐ろしい。

いずれにせよ、自分自身の「生き方」次第で、運命が変えられる時代に突入したのだ。

それだけに、全人類が、人類並びに地球全体にとって、より豊かで実りある未来をデザインする責務を果たさなければなるまい。