お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

カスピ海が「海」だと決まった事が、米国によるイラン制裁と関係しているって聞きました。これってどう言う事?

一般の日本人の多くは、「カスピ海」といえば「カスピ海ヨーグルト」を思い出すかも知れぬが、「カスピ海」をめぐる諸問題はかなり複雑じゃ。

世界最大の湖「カスピ海」は、湖なのか?それとも海なのか?と言う論争は、20年以上にわたって行われて来た。
これに終止符が打たれたのが、昨年(2018年)9月のこと。
昨年(2018年)8月12日にカザフスタンで開催された、「カスピ海」沿岸5か国…則ちアゼルバイジャン・イラン・カザフスタン・ロシア・トルクメニスタン…この五カ国の会議で「カスピ海」は、「海」と認定された。

現在のロシアは、かつてソビエト連邦(略してソ連)と呼ばれていた。
ソ連は、1991年に崩壊した。
ソ連崩壊までは、世界シェア9割を誇る「カスピ海キャビアチョウザメの卵の塩漬け)」は、ソ連とイランの共有財産だった。
この頃はごくごく自然に「カスピ海」は、湖とされ権益もソ連とイランで二分されておった。

ところがソ連崩壊後は、新興国カザフスタントルクメニスタンアゼルバイジャンが誕生し、「カスピ海」問題が浮上した。
これに追い打ちをかけるように、90年代半ばには「カスピ海」の湖底に、豊富な天然資源が眠っている事がわかってきたのじゃ。

この天然資源の埋蔵量は、天然ガス8兆4000億m3原油500億バーレルも埋蔵されている。
よって第二のペルシャ湾とさえ呼ばれておる。

カスピ海」を海とするか湖と認定するか…によって、法的枠組みが異なってくる。
これによって生じる天然資源分配問題並びに、海と認定された際の領海問題などなど…。

湖ならば水域内資源は、沿岸各国の共有財産となって均等配分される。
ところが海と認定された場合、国連海洋法条約が適用される。
海の場合は沿岸線の長さに応じて領海が設定され、権益も海岸線の長さに比例する。

イランの沿岸線は、五カ国の中で最も短い。
しかも天然資源は、北部・中央部に多く埋蔵され、イラン沖の南部は埋蔵量が乏しい。
よってイランは「カスピ海」を海だと認めたくないのだ。
他の四カ国は、海と認定した方が自国にとって有利になる。

昨年9月に海と認定された「カスピ海」は、

1)各国沿岸から15海里(およそ28キロメートル)を各々の領海として25海里を排他的漁業水域とする。
2)沿岸国以外の軍が「カスピ海」に入るのを認めない。
3)領海外の地下資源の分配については、継続協議とし湖底へのパイプライン設置は当事国同士の合意で認める。

と言う事になった。

長きに渡って「カスピ海」を海と認めていなかったイランだったが、トランプ政権による経済制裁によって経済的にもかなりの打撃を受けておる。
そんな中でロシアをはじめとする「カスピ海」沿岸国を敵にまわしたくなかったのじゃ。

特にロシアとは友好関係を持続したい…と考えたイランは、渋々「カスピ海」を海と認めたのだった。

各国の利益や国同士のパワーバランスによって、海だったり湖だったりする…。
この事実を深く受け止め、日本人も地政学や世界のパワーバランスについてもっと興味を持ち、自国が世界の中でどういう状況に置かれているか?どうあれば良いか?などについて考える必要があるように思う今日この頃である。