「グローバル化」って何なの?「国際化」とどう違うの?
「グローバル化」というのは、「グローバリズム」のこと。
これは国と国との垣根を出来得る限り引き下げることで、ヒト・物・金・サービス提供…の流れを活性化させる現象のこと。
また上記のような考え方を持つことを指している。
一国の役割りを最小限にし、世界各国の制度を限りなく均等化させることで、画一的ルールを導き出し、世界を統合する考え方なのだ。
この「グローバル化」と並行して使われる言葉に、「国際化」則ち、「国際主義」というものがある。
各国に根付いている文明を考慮し、その文化や制度を尊重する。
その上で国同士の差異を認めつつ、より良い交流を目指して行く。
「国際化」にあっては、貿易によって生じるプラスの面に目を向け、国民が貿易によって得られる豊かさを重視する。
その一方で貿易がもたらす悪影響を鑑み、時には国内産業を守ることにもエネルギーを注ぐ。
「グローバル化」の場合は移民を推進する。
国籍に関係なく、様々な文化の共生こそが重要だとする考え方なのだ。
一方の「国際化」というのは、観光や留学を体験する事で、他国の文明に直に触れ、異文化を学び、自国では得難い技術や文化を習得する事で、自国の発展に寄与することである。
「国際化」にあっては、大量移民を受け入れる事で生じる、コントロール不能に陥った自国文化や制度の変節を良しとしない。
日本では保守もリベラル派(左派)も、数十年間「グローバル化」を推進してきた。
ところがこの「グローバル化」によって、様々な問題が生じ「グローバル化」自体が機能不全に陥っている昨今。
近年欧米では、「反グローバリズム」が台頭している。
米国のトランプ大統領の選出に始まり、欧州各国を席捲(せっけん)するポピュリズムの嵐、将又、英国のEU離脱の決定や仏国における黄色いベスト運動などなど…。
各国が「グローバル化」を目指した結果、民主主義が機能不全に陥ってしまった。
「グローバル化」によって資本が国際的に移動する事で、世界的投資家や世界的企業の影響力が肥大化してしまった。
彼らは各国政府に対し、「人件費削減のために非正規労働者を雇用しやすくせよ!」とか、「税制改革をして、法人税の引き下げを行なわなければ、この国に投資しない」と言った、脅しとも取れる圧力をかけ、これを各国が受け入れざるをえなくなったのだ。
その一方で一般庶民の声は政府に届かず、生活が苦しく、不安定なものとなった。
今、正に「ポスト(脱)グローバル化」の只中にある。
新しい世界を実現するための構想力が、今ほど求められている時代はないのではなかろうか?
日本もこの波に乗り遅れる事なく、速やかに「脱グローバル化」を推進すべきである。