自分の脳を愛する事(1)
かつて『EQこころの知能指数』を著した、ダニエル・ゴールマン氏は、幸せな気持ちでいる人の脳を、f-MRI(脳活動を観測する医療機器のこと)で観ると、前頭葉前部の左が活性化していると述べていた。
逆に言えば、幸せ気分になれない時は、この部分の脳回路が上手く働いていないと言えそうだ。
長い間、「幸せ感」がないと言う人は、ここの部分を構成するニューロンが、障害を受けている可能性もある。
そこでどうしたら脳回路が回復し、脳が活性化できるのだろうか?
一般に脳と言う臓器は、他の臓器同様、否、他の臓器以上に「愛情」を欲する臓器である。
その為に、脳は我々の「頭の中にいる別人」だとも言える。
我々は、いつ如何なる場合も、脳を「幸せ」な状態に保つことが一番大事なことなのだ。
自分で自分自身の脳を、「ハッピー・ブレイン」として、日々大切に養育し続ける必要がある。
「ハッピー・ブレイン」を育てるにあたっては、質の良い睡眠・バランス良く規則正しい食事・適度な運動…と言う基本三原則を守りつつ、心をニュートラルに保つ事が大切!
心をニュートラルにするためには、瞑想が一番だ。
一日十分か十五分瞑想するだけでも、脳はニュートラルになる。
ところで新生ニューロンを誕生させる脳内の神経幹細胞は、脳内では、血管に寄り添うようにピッタリひっついていることを知っているだろうか?
大人になると、細胞が分裂し、新生ニューロンが生み出されるためには、数日間かかってしまう。
新生ニューロンはストレスを感じやすい弱々しい存在であるため、血液中に含まれるホルモン量に応じて、新生ニューロンの数は増えたり減ったりする。
睡眠中は細胞の増殖が、旺盛な動きをするので、脳育(脳を育てること)のためには、睡眠が重要になってくる。
日中、体の運動に使われていた血液中の栄養分は、睡眠中は細胞の増殖に使われる。
新生ニューロンは、か弱く血液中からの栄養補給が不十分だと、消滅することもある。
「心の健康」が担保されない時は、脳はしっかり働くことが出来ず、またストレスを感じ続けると「脳の回路」が柔軟性を失い、より一層ストレスを感じてしまうのだ。
「脳回路の柔軟性」を高めるためには、自分で自分の脳を徹底的に愛することが最も大事!
嫌なこと、一見不幸に思えることが起こってしまったら、先ず自分の脳を休ませる。
そして栄養補給し、瞑想し、脳をリラックスさせることで、「脳の回路の柔軟性」を取り戻し、脳と心の両面を活性化するよう努めなければならない。
明日は瞑想のやり方について述べたいと思う。