韓国のGSOMIA失効回避について教えて!
韓国大統領府は11月22日、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する…!という「通告の効力」を、停止すると発表した。
これにより、11月23日午前0時が期限となっていたGSOMIAの失効は回避された。
しかし、日・韓の間に横たわる数々の問題は全く解決していない。
日本が7月に始めた輸出管理厳格化に関する協議を始める事で、日韓両政府は合意しただけに過ぎない。
今でも韓国は輸出措置の撤回を求め続けている。
日本政府は貿易管理をめぐる当局間の協議再開に応じるものの、妥協しない方針を打ち出している。
日本政府高官は、韓国のGSOMIA失効回避の案件は、「ほとんどこちらの(日本の)パーフェクトゲームだった」と述べているようだが、そうともいえないだろう。
今回のGSOMIA失効回避を巡っては、米国からの圧力が功を奏しただけなのだから。
尤(もっと)もGSOMIA破棄で一番影響を受けるのは、米国だと見られている。
いずれにせよ、北朝鮮との融和を求める文在寅(ムンジェイン)大統領が、米国との安全保障の枠組みから脱却しようとする「自主国防」を目指しているのは間違いない。
又、今後も韓国による日本への訳の分からぬ不信が募って、言いがかりとも思える言動・行動がなくなるとも思えない状況である。
更には、トランプ大統領が、在韓米軍駐留経費の大幅負担増を韓国に迫り、米韓協議が物別れに終わる中、日・韓だけでなく米・韓の相互不信も高まっている。
今回のGSOMIA失効回避が北朝鮮にどのように受け取られるのか?
現在、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威は、確実に増大している。
北は韓国がGSOMIA破棄決定を、日本に通告した翌日の今年8月24日に、弾道ミサイルを発射している。
ここ数ヶ月間にわたり、日米間の情報共有体制を試すような発射を繰り返していたのだ。
今回韓国は、GSOMIA失効回避のみならず、WTO(世界貿易機関)手続きを中断している。
これで、ようよう局長級の「輸出管理政策対話」が、三年半ぶりに開かれるのであろうか?
韓国経済が底をつき始めて、漸(ようや)く、日・韓の「対話擬(もど)き」の「対話」が、始まっているようだが、近隣国であるだけに、もっと大人の関係性を築きたいものである。