お不動様のひとり言

お不動様のお言葉に乗せた、ほのぼの心嬉しいお話のブログ。

私は佛様の中でも、お不動様が大好きです。
お不動様のお名前の由来は、ゆるぎない悟りを求める心…ということです。

絵像では、燃え盛る火炎を背負い、眷属(けんぞく)の矜羯羅(こんがら)童子と、
制多迦(せいたか)童子を従えているのです。

このお不動様のお言葉に乗せて、
ほのぼのと心嬉しく豊かになるお話をしたいと思います。

哲学・文化

日本語の不思議―2 (漢字とアルファベット その1)

漢字、平仮名、カタカナという三種の文字と、各々に付随する三種の語彙や其々の文体とそれらを統(す)べることを可能為らしめている「日本語」という言語。 こういった日本語の凄みは、他言語には全く見られないものである。 今より4千年ほど前に「文字」が…

日本語の不思議―1

日本語と外国語、とりわけ欧州の言語との違いは、大きく3つある様に思う。 1つめは、「私」に纏わる単語の軽重(けいじゅう・けいちょう)である。 英語は誰もが知るように、五文型すべて主語が最初に来る。 その時、自分自身を示す言葉は、常に「I」となる…

人工知能(AI)に人事を任せる企業があるって聞きました。これはどう言う事なの?

AIは「人間の脳の活動部を模倣するコンピュータ」と言える。 従来のプログラムとの違いは、どんな時に、どのような計算処理をするか…と言う、アルゴリズムを初めに決める事だろう。 その後の解答を導く手順は変わらないという。 最近のAIが急激な進化を遂げ…

『歎異抄』について教えて!(2)

『歎異抄』には、 「なにごとも、心にまかせたることならば、往生のために千人殺せと言わんに、すなわち殺すべし。しかれども一人(いちにん)にてもかないぬべき業縁(ごうえん)なきによりて害せざるなり。わが心の善くて殺さぬにはあらず。また害せじと思…

『歎異抄(たんにしょう)』について教えて!(1)

『歎異抄』は、親鸞さんが語った言葉を、後に弟子の唯円(ゆいえん)が書き留めたもの。 親鸞さん自らが著したものは、『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』という難解な書物であったため、一般には『歎異抄』の方が人気があると言われる。 親鸞さんが自…

「即位礼当日賢所大前の儀」と「即位礼正殿の儀」とは?

本日、宮中では、古式床しく、「即位礼当日賢所大前の儀」と「即位礼正殿の儀」及び「饗宴の儀」が行われた。 「即位礼当日賢所大前の儀」では、天照大神様をお祀りする賢所にて、天皇に即位されたことを、改めて報告するため、天皇皇后両陛下は、白の伝統装…

「どの様に生きるべきか?」と「何者かに生かされているの?」の違いって何なの?

人は時として、「自分はどう生きればいいのだろうか?」と、悩む時がある。 しかし、そんな自分は一人で生きていないを知っているはず。 多くの人達、知っている人も知らない人も含めて、今、ここに、生きている自分は、多くの人々の支えによって生きている…

蹄脚硯(ていきゃくけん)って何のこと?

日本の古代から南北朝時代にかけて、伊勢神宮に奉仕した斎王の御所の事を「斎宮(さいぐう)」と呼ぶが、平安時代以降は「賀茂神社」の斎王(斎院)と区別するために、「斎王」の事も「斎宮」としたらしい。 「伊勢斎宮」「伊勢斎王」とも称するが…。 そもそ…

豊かさの根源には何があるの?

・自己満足でない本当の豊かさは、何処にあるのか? ・自分が自分自身を喪失する事なく、常に心が満たされているとは、どんな在り様なのか? これらの問い掛けに真正面から答えることは、難しいと思われがちだ。 然し乍ら、そうとも言えぬ。何とならば、生を…

「純粋経験」って何なの?(4)

昨日お話しした菊池寛の『恩讐の彼方に』だが、これに記されている市九郎は、何も特別な人間ではない。 見渡せば、貪瞋痴(とん・じん・ち)の煩悩に塗(まみ)れ、私利私欲・我欲の塊となって生きている人間の何と多いことか…。 哀し過ぎて、辛過ぎて、どう…

「純粋経験」って何なの?(3)

西田幾多郎氏がいう『純粋経験』は、我々の日常の経験から出発したものだという。 それは我々の日常に於ける経験だとし、氏は、日常世界から離れ、逸脱する形での哲学は存在しないのだと言う。 而して、最も平凡なる日常生活が如何なるものであるのか?を深…

「純粋経験」って何なの?(2)

詩歌に造詣が深く、自らも詩歌に親しんだ西田幾多郎氏だが、氏はアララギ派の島木赤彦という歌人について次のように語っている。 十七字の俳句、三十一文字の短歌も物自身の有(も)つ真の生命の表現に他ならない。我々の見るところのもは物自身の形ではない…

「純粋経験」って何なの?(1)

西田幾多郎氏が著した『善の研究』の第一編・第一章にこんな一文がある。 経験するというのは事実其の儘(そのまま)に知るの意である。全く自己の細工を棄てて、事実に従うて知るのである。純粋というのは、普通に経験といっている者もその実は何らかの思想…

『青葉茂れる桜井の…桜井の訣別』の歌って、誰が作詞・作曲した、どんな歌なの?

『桜井の訣別』の作詞者は、落合直文(おちあいなおぶみ)で、作曲家は奥山朝恭(おくやまともやす)とされる。 この歌は、楠木正成(くすのきまさしげ)と、その嫡男(ちゃくなん)楠木正行(くすのきまさつら)が訣別する逸話(いつわ=エピソードのこと)…

弁証法って何ですか?(2)

今日は西田幾多郎について話そう思う。 西田哲学の最重要単語は、「純粋経験」という言葉。 「純粋経験」とは、意識の原初的(直接的)統一状態のこと。 それは、音を聞いたり、色を見たりすること。素晴らしい音楽を聴き、我を忘れて、その音楽に聴き入って…

弁証法って何ですか?(1)

「弁証法(dialectic)」とは、意見(定立)と反対意見(反定立)との「対立と矛盾」を通して、より高みを目指し、さらに上位の解決法を模索し、認識(統合)に至る哲学的手法のことである。 このプロセスは、正・反・合と要約される。 古代ギリシャの「弁論…

中国の「国慶節」って何なの?

10月1日、日本の消費税が10%になったその日…中国(中華人民共和国)では、建国70年となる「国慶節」の祝賀行事が、北京の天安門広場で行われた。 「国慶節」とは、中国の建国記念日のこと。 中国3000年の歴史…などと言われれることもあるが、実は現中国(赤…

新渡戸稲造はどうして『武士道』を著したの?(4)

「克己」とは何か? 新渡戸稲造は、その著書の中で、 勇気の鍛錬は、どんな事に対しても、ぐちを言わない忍耐の精神を養い、礼の教訓は、自分の悲哀や苦痛をあらわして、他人の快楽や安静を妨害しないようにすることである。 また、こうも述べている。 男子…

新渡戸稲造はどうして『武士道』を著したの?(3)

「名誉」と「忠義」 新渡戸稲造は『武士道』の中で、 「恥を知る心」は人類の道徳的自覚の最も早い兆候であると私は思う。 とのべ、続けて、 人類(の先祖イブ)が禁断の果実を味わったがため、神より罰を下された、というが、私の考えによれば、最初のそし…

新渡戸稲造はどうして『武士道』を著したの?(2)

武士道の支柱「義」・「勇」並びに「仁」と「誠」 「「義」を見てせざるは勇なきなり」 人の道として当然行うべきことと知りながら、これを実行しないのは、勇気がないというものである。(論語;為政) 新渡戸稲造は、武士道の中でも最も厳しい教訓が「義」…

新渡戸稲造はどうして『武士道』を著したの?(1)

武士道を著した理由 「西南の役」から10年ばかり経った頃の事。 ベルギー人法学者のラブレー教授の元に、教授を敬愛するボン大学留学中の日本人学生から手紙が届いた。 この学生に興味を持ったラブレー教授は、この青年を自宅のあるリエージュに招いて一週間…

「彳亍(てきちょく)」ってどんな意味なの?

「彳亍(てきちょく)」とは、少し歩いては止まることを言う。 「彳」(てき)は左足の歩みを、「亍」(ちょく)は右足の歩みを意味する。 また「躑蠋」も「てきちょく」と読むが、この字の意味は、「彳亍」と異なっていて、足踏みすること、ためらい躊躇す…

母音読みって何なの?

通常、母音読みを日常的に行うことはほとんどないだろう。 母音読みは、特別な舞台人…例えば『劇団四季』などで活躍するミュージカルスターなどが、日々の訓練の中で行なっているトレーニングの一つだ。 舞台人はマイク無しでも、最後部座席のお客様や最上階…

重陽の節句って何なの?

前にも五節供(人日・上巳・端午・七夕・重陽)というのがあると言ったが、9月9日というのは、この五節供最後の節供のこと。 1月7日「人日(じんじつ)」の節句は「七草の節句」、3月3日「上巳(じょうし)」の節句は、「桃の節句」、5月5日は「端午(たんご…

二十四節気って何なの?

「二十四節気」というのは、一年を二十四等分し、半月ごとに季節の変化を表したものじゃ。 元々、シナから伝わった考え方なので、日本の季節とは若干のズレが生じておる。 しかし日本の豊かな自然を、春・夏・秋・冬それぞれの季節に六つの節気に分けて表現…

舞踊という言葉は「舞う」と「踊る」で出来ていますが、舞踊の本質について教えて!

舞踊という二文字熟語は、農耕民族の特質を持つ「舞の文化圏」と、遊牧民族の特質を有する「踊りの文化圏」がうまくミクスチャーされた言語と言えよう。 各々の文化圏の差が、舞踊様式に多大な影響を与えているのだ。 「舞」の特徴は、腰を据えゆっくり動く…

南方熊楠(みなみかたくまぐす)について教えて!

南方熊楠は、博物学・民俗学の先駆者と言うべき人物。 さらには植物学…とりわけ菌類・地衣類・藻類の代表的な日本の学者。 『ネイチャー』『ノーツ・アンド・クエリーズ』などへも意欲的に投稿し、『ネイチャー』への投稿は、51論文にもなり、単著としては他…

自分を大切に生きるには…どうすべきなの?教えて!

自分で自分を見下したり、自分の誇りを傷つけたり、自信をなくしたり…と、自分を大切にしない人は、案外多いもの。 しかし自分を丁寧に扱い、自分の人生に誇りを持ちつつ、豊かに過ごす気概を持つこと。 これだけで随分心が弾んで来るというもの。 心を自由…

呉善花さんの著書『日本的精神の可能性』について教えて!(5)

韓国人は許さないことが信頼の証…なぜ日本人は恨みを水に流せるのか 日本人と韓国人との根本的違いについて、わかりやすく著した呉善花氏の一文を次に挙げたいと思う。 戦前の日本の軍国主義的な大陸進出について、(中略)韓国・北朝鮮はほとんど永久に責任…

呉善花さんの著書『日本的精神の可能性』について教えて!(4)

世界に例のない日本のアニミズムとは? 日本の神道は強烈なものを取り除こうとする傾向がある。 強烈な音・強い臭いや強い色合い、とりわけ血を嫌う。 兎に角、強い刺激を嫌って、静謐(せいひつ)で清浄なるあり様を、殊の外好む傾向にある。 しかもそれは…